ゼロからトースターを作ってみた結果

小池都知事の外出自粛要請が出ています。しばらく家で大人しくしていよう。商売もしばらくはダメそうなので、支出節約のために、家にツンドク状態になっていた本を読んでいこうと思う。

 

この本、イギリスの大学院生(ロイヤルカレッジオブアート スプツニ子が出た学校)の卒業制作にトースターを作った過程をまとめたもの。

iPhone をはじめ様々な進んだ電子製品に囲まれた現代社会では、トースターは、プリミティブな機械だと思われているに違いない。でも、この本の著者は、これって自分で作ってみたらどうなるんだろうと思い、実行に移した。この目のつけどころが、素晴らしい。この発想力は自分も身につけたい。彼は鉱物は、自分で掘り出すことを目指したが、発掘できたものもあったが、発掘できないものあった。トースターのボディを覆うプラスティックも合成しようとしたが、これはまったくもって歯が立たなかった。鉄は鉄器時代から使ってきたけど、プラスティックが使われるようになったのは、たかだか100年前。スーパーに行けばただでもらえるプラスティックの袋も、それまでの人類の知恵の結晶なのであることがわかる。しかたないので、プラスティックは廃棄されたものを再利用した。

なんとか、完成したトースターだけど、感電が怖くて家庭用の電源には繋げないし、トーストするほど暖かくならない。発掘した鉱物を加工して、再利用したプラスティックで覆っただけどのシンプルなものだ。市販のものなら、どんなに安いものにでもついているタイマーはないし、焼き上がるとビョンと飛び上がったりもしない。ここまで、彼が苦労して材料を集めているのを読んで知っているので、そんな技術でさえも、考えられないくらい高度なものに思えてくる。いや、実際、高度な技術なんだろう。

スマホを何台も持ち、パソコンでいろんな映像みたり、仕事したり、休暇に飛行機で海外にいったり、いまでは何でもない日常だけれども、昔の人からしてみれば、魔法の国に住んでいるのだっと改めて思い知らせてくれる本でした。