Roma

ローマ

ネットフリックスの映画。全編、白黒映画。全編、映像がすごく美しい。70年初頭のメキシコが舞台。主人公は裕福な家庭で雇われているメイドの女。子供たちの会話でこどもが軍人に銃で射殺された話が出てきたり、家の前を軍人たちが行進していたりして、大きな社会問題が起こっていることが分かるが、物語はメイドとその家族たちの話が続いていく。終盤で、主人公の女が、自分を妊娠させた男とその仲間たちが一人の若者を射殺するのだけれども、映画の中では一切説明がないので、メキシコの現代史を知らない自分には、男たちが何をしようとしたのかはわからない。

主人公もそういったことには関心はなかったのだろう。動乱の社会にあっても、人々は自分たちの大切にしている生活があるだと思った。

 

これを書いたあとに、ネットでちょっと調べる。主人公を妊娠させた男は、ロス・アルコネスという武装集団に属していた。主人公に見せた武術は、彼が受けてた軍事訓練プログラムで身につけたものだった。男とその仲間たちが若者を射殺していたのは、1971年に起きた「血の木曜日事件」を再現したもの。反政府運動をしていた若者120名が、政府支持の武装組織によって、殺された。

背景をしらなくても、いい映画だと思いましたが、この話をしると更に感慨深い。。